休日の朝、横浜にあるカフェで焙煎されたばかりのコーヒー豆を買って帰った。その際、焙煎士から「焙煎したばかりだから飲み頃は明日だよ」と案内された。なんでもかんでも鮮度が良ければ(早ければ)いいってもんじゃないんだね、と思いつつ、言われたとおりに翌日、自宅で挽いてお湯を落としてみると、粉がぷっくりとドーム状に膨れ上がった。
YouTubeのコーヒー動画などでは見たことがあったが、今まで自分が買っていた豆はお湯を注いでも平坦に沈んでいくだけで膨らむことはなかったので、「マジで膨らむのか」と素直に驚いた。
今まで買っていた豆とは何が違うのか。調べていくと、豆が「膨らむか・膨らまないか」は単なる鮮度の良し悪しだけでなく、主に4つの条件があるということを知った。メモついでにまとめておく。
1. 焙煎からの経過時間(ガスの残量)
豆が膨らむ正体は、焙煎時に豆の内部に蓄積された「炭酸ガス(二酸化炭素)」が、お湯の熱によって膨張し、外部へ放出されるという物理現象によるものだという。焙煎直後の豆は内部に大量のガスを含んでいるため大きく膨らむ。このガスは時間の経過や、粉状に挽くことで自然と空気中へ抜けていくため、古い豆ほど膨らみにくくなるとのことだ。
2. 焙煎の深さ(深煎りか、浅煎りか)
ガスの発生量は、焙煎時の熱の加え方に影響する。長く熱を加える「深煎り」ほど豆の組織が多孔質になり、より多くのガスを蓄積するためよく膨らみやすくなる。逆に「浅煎り」の豆は組織が硬く、生成されるガス自体が少ない。つまり、焙煎直後の極めて新鮮な状態であっても、浅煎りは深煎りと比べ膨らみにくい。
3. 注ぐお湯の温度
膨らむ原因が炭酸ガスの熱膨張なので、お湯の温度が高いほど反応は強くなり視覚的な膨らみは大きくなる。低い温度のお湯で抽出を行った場合、熱によるガスの放出が穏やかになるため、新鮮な豆であっても膨らみは小さくなる。
4. 精製方法や特殊加工(デカフェなど)
カフェインレス(デカフェ)処理された豆は、生豆の段階で成分を抽出する特殊なプロセスを経ている。その過程で細胞組織が変化しているため、焙煎から日が浅くても膨らみにくいという特性を持つそうだ。
「膨らまない=古い・悪」というのは誤認
「膨らまないコーヒー豆は品質が悪い」ということではないようだ。それはそれで少し安心した。
浅煎りの豆を好んで買っている場合や、意図的に低温抽出を行っている場合、あるいはデカフェを選んでいる場合、豆が膨らまないのは極めて「普通」ということだ。あえてガスを抜いて味を落ち着かせてから飲むスタイルも存在するらしい。「飲み頃は明日」というのも、この余分なガスを放出して味を安定させるプロセスだったのかな。
視覚的なモコモコ感は確かに気分が良いが、それは特定の条件下で発生する化学反応に過ぎなかった。世の中、知らないことばかりだね。


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