自己満足のダッシュボードたち。社内ツールと「Customer Obsession」

仕事のこと

1. カスタマー(顧客)は「社内の人間」も含まれる

私が勤める外資系企業には、数あるリーダーシップ・プリンシプル(行動規範)の中でも筆頭に挙げられる「Customer Obsession(※カスタマー・オブセッション:常に顧客を起点に考え、行動するという理念)」がある。

通常、カスタマーと言えばサービスを利用する一般のお客様=エンドユーザーを思い浮かべるだろう。しかし、弊社のCustomer Obsessionはエンドユーザーはもちろんのこと、「社内の人間」に対しても適用される。 例えば、業務改善のために新しいダッシュボードやマニュアルを作ったとする。その場合、それを見たり使ったりする社内のメンバーが「提供者から見たカスタマー」になる。果たしてそのツールは、本当に彼らの利益になっているだろうか。

2. 作ることが目的になった「自己満足」の代物

社内を見渡すと、残念ながら「ツールを提供すること」自体が目的となり、肝心のユーザーの事情を完全に無視した代物が多すぎる。 手っ取り早く自分の「実績」を作りたいのか、短期間でそれっぽいダッシュボードを開発してドヤ顔でリリースする。しかし、現場のリアルな業務フローを考慮していないため非常に使いづらく、結局誰にも使われずに風化していく‥という光景を嫌というほど見てきた。

本来の目的は「それを使った人が、何かができるようになる」「便利になる」、社内の業務が良くなり、結果的にエンドユーザーにもメリットが生まれていく‥ということだ。しかし、プロモーション(昇進)や評価のための「実績作り」となると、途端にこの大前提が崩壊する。(結局、自分のために作ってるだけなんだよな‥)

3. 「とりあえず出す」は正解だが、放置はNG

誤解のないように言うと、最初から完璧なものを目指す必要はない。 慎重になりすぎていつまでも何も提供されないのは、それはそれで何も進まないし時間の無駄だ。我が社でも「Bias for Action(完璧さよりスピードを優先する行動規範)」がある通り、それは推奨されていない。 とりあえず60点の出来でもサクッとリリースし、そこからPDCAを回してブラッシュアップしていく。カスタマー(社内のユーザー)にメリットが生まれるようにバージョンアップを繰り返していくのであれば、それは素晴らしいことだ。 とはいえ現実は、作って提供しっぱなし。その後のアップデートが一切されない「放置ツール」が社内に蔓延しているのがリアルな状態だ。

4. まとめ

Customer Obsessionの精神が欠落し、目的を見失ったツールはただの自己満足でしかない。 実績作りのために作られた「使いづらい放置システム」を無理やり使わされる身としては、本当に勘弁してほしいところだ。自分が少しマクロを組んだり自動化ツールを作ったりする時は、絶対にこの「作って終わり」にはならないようにしないと‥乱立する使えないダッシュボードたちの二の舞いにならないように、常にCustomer Obsessionを念頭に置く所存である。

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