転職活動をしていた頃、「会社名 + ブラック企業」というキーワードで検索しまくっていた。ちょうどその頃、退職扱いになった元従業員が何とかユニオンに加盟して会社を訴えている――なんてニュースが一部で賑わっていた時期でもあった。 「うわ、マジかよ…」と画面の前でビビりつつも、結局実際のところは明確な情報は無いまま晴れて入社日を迎えることになった。
あれから11年経過し、現場のオペレーション部門やバックヤード部門で働いてきた身として、あのとき気になっていた「本当のところ」を個人的な見解として書き残しておく。
1. 結論:ホワイトだが、決して「楽」ではない
結論から言えば、世間が想像するような理不尽なブラック企業ではない。 前職のケータイショップ代理店時代に経験した「サービス残業の常態化」「精神論でのノルマ強要」「有給は使ってはいけない」などに比べれば、労働環境や制度面は圧倒的にクリーンだ。
正直なところ、入社当時はクセの強い社員もちらほらいた。平たく言えば「それパワハラでは?」と耳を疑うような発言をする従業員がいたのも事実だ。 しかし、それも最初の数年の話。そこから急速に働き方や労働環境の改善が進み、コンプライアンスにも一気に厳しくなった。今ではハラスメントをするような従業員は社内からだいぶ駆逐され、まず見かけなくなった。逆に自分の言動が心配になるくらいだ。
有給休暇だって申請すれば普通に取れる。それどころか有給とは別に「個人的な用事用(体調不良や市役所の手続きなど、理由は問わず用事があればOK)」として、実質的に有給と同じように使える仕組みも5日分が用意されている。確定拠出年金や従業員支援プログラムといった福利厚生のサポート体制も手厚い。 無駄な残業は推奨されず、むしろ残業が多いとネガティブに見られる傾向すらある。フレックス部署の場合は、自分の采配で勤務時間を調整することも可能だ。
2. それでも「きつい」と言われる理由
では、なぜネットでは「ブラックだ」「人がすぐ辞める」と言われるのか。それは環境がホワイトであることと、仕事が楽であることは全く別問題だからだと推測している。実態として、以下のようなシビアさは日々感じている。
- 容赦ないスピード感と短納期
前職なら「来週中には」と言っていたような内容が、ここでは「明日・明後日には」という短納期(Due)で飛んでくる。会社の部署や従業員数が多いせいか、新人であってもその部署の人間であれば、容赦なく1人の担当者として仕事や質問が投げかけられる。 - 徹底したロジカルさと「Dive Deep」の文化
数字を使ったロジカルな説明や資料作成が求められる。数字が得意な人はいいが、苦手だとかなりキツい。さらに、失敗した時はもちろん成功した時でさえ「なんで?」と深掘り(Dive Deep)されるため、常に自分の行動や仕事の結果に対する理由を説明できるようにしておかなければならない。 - シビアな評価と上を目指すプレッシャー
与えられた必要最低限の仕事をただこなすだけでは評価されない。常にさらなる上を目指すことが求められるため、現状維持では居場所がなくなっていく。
3. 続く人と、次々と辞めていく人
こうした環境ゆえに、スピード感やシビアさに馴染めず、数年(公式データは出ていないが、ネット調べでは平均勤続年数は2〜3年前後?)で去っていく人は少なくない。 海外の従業員が大規模なレイオフ(解雇)に遭うニュースを見るたびに身構えるし、日本では法律で守られているとはいえ、社内では「みなさんに残念なお知らせです」という退職メールが日常的に届く。会社都合か本人都合かはわからないが退職する人を見かける機会は決して珍しいことではない。自分のチームでも人が次々と辞めていくため、正直なところ「戦々恐々」としながら労働をこなしているのが現実だ。 ポジションによっては、圧倒的な業務量をこなすために早朝や深夜にパソコンを開いているメンバーもいる。
4. まとめ:結局は「合うか合わないか」
かつての私が必死にググって探しても見つからなかった答え。
この環境を「冷たい」「過酷だ」と感じる人にとっては、間違いなくブラック企業だと感じるだろう。 一方で、プライバシーやハラスメントのコンプライアンス遵守には非常に厳しく、他人のプライベートに踏み込みすぎない空気感がある。無駄な人間関係や社内政治に煩わされず、与えられたミッションを淡々と(ただし高速で)こなすことに集中したい人にとっては居心地が良いかもしれない。結局のところ、自分が何を重視するか、「合うか合わないか」の問題に過ぎないのだろう。
(結局どっちつかずな回答になったがご容赦いただきたい)


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