韓国旅行3 -ソウルの屋台と、地方都市・清州徘徊-

その他

1. 広蔵市場で知るコーラのありがたみ

おばちゃんの屋台で買ったポテトチーズハットグですっかり腹を満たした後は、腹ごなしの散歩がてらショッピングエリアをウロウロした。同僚のDはThe North Faceのシャツなどを物色、日本で買うより少し安そうな印象だった。自分は特に物欲も爆発せずウィンドウショッピングをした。

あてもなくフラフラ歩いてたどり着いたのは、「広蔵市場(クァンジャンシジャン)」。 アーケードの下に無数の屋台がひしめき合っていて、観光客でごった返している。通りの真ん中にベンチ付きの屋台がずらりと並び、目の前でキンパ(海苔巻き)やチヂミが焼かれていて、その場で食べられるスタイルだ。いかにも観光客向けな雰囲気ではあるが、「韓国旅行に来た!」という空気感を味わうにはもってこいの場所だと思った。

とはいえ、お腹はいっぱいだし、言葉も通じない屋台に飛び込むのは正直心理的ハードルが高い。勇気が出ないまま通り過ぎようとしたその時、屋台のおばちゃんとバッチリ目が合ってしまった。 (このタイミングを逃したら二度と座れない‥!) 旅の勢いに任せて、そのまま長椅子に腰を下ろした。

席に着いたテンションで、キンパ、トッポギ、スンデ(豚の腸に春雨や豚の血を詰めた腸詰め)、さらに炒め物っぽいものを一気に注文。どれもリーズナブルな価格設定だったので、「これくらいなら普通に食べ切れるよね」と高をくくっていた。

……しかし、出された料理を見て絶句する。どれもこれも、完全に2〜3人前のボリュームで盛られているのだ。 最初は「美味しいねーボリュームあるねー」と食べていたものの、特に問題だったのがスンデである。想定の3倍くらいの山盛りで皿に盛られてやってきた。

ただでさえハットグが胃袋に残っている。そこへやってきた大量のスンデ。 普段は何でもよく食べる同僚Dですら「これはちょっと‥」と箸がピタリと止まる始末。独特の風味と重量感に胃袋が完全に白旗を上げかけていた。 このままでは完食はおろか撤退すらできない。口の中を強制的にリフレッシュすべく、すがる思いでコーラを追加注文した。

これが大正解だった。炭酸の爽快感でスンデを無理やり胃の奥へと流し込んでいく。コーラの威力、まじで神。炭酸水万歳w 誤解のないように言っておくと、スンデ自体が決して不味かったわけではない。とびきり美味いかと言われると好みが分かれる味だが、問題は味ではなく完全に「量」だった。旅先の勢いでの注文、本当にご注意ください‥。

2. ビジネス街の夜、規格外の「メガコーヒー」

パンパンに膨らんだ腹を抱え、広蔵市場からバスに乗ってホテルのあるエリアへ戻った。 少し部屋で休んでから、「せっかくだしホテル周辺も少し徘徊してみよう」と夜の散歩へ繰り出す。

ホテルの周りはテレビ局などが立ち並ぶビジネス街のようで、繁華街のような派手さはないものの、飲食店や商業施設が点在していた。そして、ここにもやっぱりあった「オリーブヤング」。ソウル市内、本当にどこにでもオリヤンがある。

そんな徘徊の途中で見つけたのが、黄色い看板がやたらと目立つカフェ「MEGA MGC COFFEE(メガMGCコーヒー)」だ。 韓国の街中を歩いていると、やたらデカいカップを持った現地の人をよく見かけるのだが、その正体がこのチェーン店である。安くて大容量がウリの、いま韓国で爆発的な人気を誇るカフェだ。

カフェ好きな我々としては見逃せない。「行ってみよう!」と突入した。 ただ、すでに夜だし、看板メニューのメガサイズ(約680mlもあるらしい)を頼んだら夜中にトイレで起きること必至である。大人しく「普通サイズ」を注文した。 ……のだが、出てきたカップがすでにデカい。日本のスタバでいうグランデ〜ベンティくらいのサイズ感がしれっと出てくる。それでいてアイスアメリカーノが2,000ウォン(約200円)前後という破格の安さ。味もしっかり美味しいし、近所にできてほしい‥ほんとに。

3. 地方都市・清州(チョンジュ)へ移動、念願のマッサージ突撃

翌日はソウルを離れ、帰国便の出発地である清州(チョンジュ)へ移動して一泊するスケジュールだ。

ソウルから移動して降り立った清州は、いわゆる落ち着いた地方都市だった。 ソウルのように広々としたショッピングモールや日本語の案内看板はなく、街の看板も店員さんの言葉もほぼハングルのみ。英語もあまり通じそうにないし、何より外国人観光客の姿がまったく見当たらない。

ホテル周辺を徘徊してみたものの、ほぼノープランで来てしまったため「これから何しようか‥」と立ち止まり、作戦会議を開くことにした。 そこで浮上したのが、初日に秋夕のせいで行けずじまいだった「マッサージ」のリベンジだ。 日本語も英語も通じない完全アウェーの地方都市でマッサージ。ハードルはめちゃくちゃ高い。だが、せっかくの旅である。行くしかない。

ネットで評判の良かった個人のマッサージ店を特定した。本当は予約していくべきなのだろうが、ネット予約は非対応で電話のみ。韓国語で電話予約なんてできるわけがないので、一か八かの突撃訪問を敢行した。

交渉は同僚Dに託した(頼りになる)。身振り手振りと翻訳アプリを駆使してくれた結果、「1時間くらい待てば案内できるよ」とのこと。無事に予約成立である。

待機後、2人並んで施術室へ。 これが足湯に始まり、全身マッサージ、背面のオイルマッサージ、耳掃除、果ては洗顔と洗髪までついてくる約2時間のほぼフルコースだった。旅の疲れが一気に抜けていくようで、施術自体はめちゃくちゃ気持ちよかった。

……ただ一つ、気になって仕方がなかったのは、隣のベッドでオイルマッサージのために完全に「半ケツ」状態になっている同僚Dの姿である。ゲイの前で半ケツ晒す同僚。萌えてしまう。気まずさと面白さで気が散って仕方がない(笑)。 しかも施術後、その半ケツ同僚Dは担当してくれたマッサージ師の女性スタッフに何やら笑顔で軽く口説かれていたっぽい。あらまぁ‥まぁイケメンだしね。

4. サムギョプサル発祥の地で「モックモン」に挑む

マッサージで身体が軽くなったところで、今夜の晩飯の目的は決まっていた。「サムギョプサル」だ。 実はここ清州は、「サムギョプサル発祥の地」として知られており、市内には「サムギョプサル通り(西門市場内)」という専門街まで存在するほどの豚肉の聖地なのだ。

事前に店は決めていなかったが、直感で選んだ「목구멍(モックモン)清州店」というお店へ向かうことにした。 店の前に到着したものの、看板もメニューもすべてハングル文字。日本語はおろか英語すら一切書かれていない。 「これ、絶対オーダーできないやつじゃん‥」と一瞬怯んだが、ここまで来たら引き返せない。突撃するしかない。

店に入ると店員さんが早口の韓国語で迎えてくれたが、すかさず「何言ってるかさっぱり分かりません」というジェスチャーを繰り出す。すると店員さんが察して「Japan?」と聞いてくれた。 「Yes, Yes, Japan! Japanese!」と全力でアピールしたところ、「OK, OK」と笑顔で席へ案内してくれた。優しい。

メニューはスマホの翻訳カメラでなんとか解読し、指差しで注文。 このお店は「ソットゥッコン(大釜のフタ)」を模した鉄板でお肉を焼くスタイルなのだが、お店のおじさんが付きっきりで肉を焼き始めてくれた。他の若い店員さんに「あれ持ってこい、これ準備しろ」とテキパキ指示を出しながら、手際よく豚肉を切り分けていく。

一通り焼き上がると、おじさんが身振り手振りで「このタレをつけて、これと一緒に巻いて食え」と食べ方をレクチャーしてくれた。 言われた通りに口へ運ぶ。……美味い!! タレはネギや薬味がたっぷり入った醤油ベースで、日本でよくあるごま油+塩のサムギョプサルとはまた違う。肉の甘みとタレのキリッとした旨味が合わさって、いくらでも食べられる味だ。 結局お肉をおかわりして、満腹になるまで堪能した。

言葉の通じない外国人相手に、終始ニコニコと世話を焼いてくれた店のおじさん。人の温かさに触れた、清州での最高の一夜になった。 食後は近くにあった安心のスターバックスに吸い込まれ、ゆったりとコーヒーを飲んでホテルへ戻った。

5. 旅の終わりと、最後の冷麺

最終日。あとは日本へ帰るだけだ。 少し時間があったので、ホテル近くのアウトレットを徘徊してみたものの、相変わらず物欲は発揮されず。それでもDは最後の悪あがきとばかりに、敷地内のオリヤンに突撃して追加のフェイスパックを買い足していた。ブレない美容男子である。

そこから路線バスに揺られること約1時間、清州国際空港へ到着。 ソウルの巨大な仁川空港とは違い、地方の空港らしくコンパクトで落ち着いた雰囲気だ。フライト前に「最後にもう一食いっとくか」となり、空港内の食堂でさっぱりとした冷麺をすすり、今回の旅を締めくくった。

ノープランと勢いだけで突撃した初めての韓国旅行。 バスの急発進に怯え、屋台のスンデに押し潰されそうになり、言葉の通じない地方都市で半ケツのマッサージを受けたりもしたが、振り返ってみればトラブルも含めてすべてが楽しい3泊4日だった。

次に行くときは、屋台の注文量だけはもう少し慎重に見極めようと思うw

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