1. 地方都市の出会い事情と”タイプ”の壁
地元にいた10年ほど前、私のスマホには当然のようにマッチングアプリが入っていた。色々と面倒くさくなったりもするが、相変わらずマッチングアプリは健在だ。 実家にいた頃、アプリを開くと最寄りのゲイは1〜2kmほど先にいた。車社会なので距離的にはさほど遠くもないのだが、近隣にいる人ほど「デブ専」だったりして、自分には全く興味を持ってもらえない人ばかりだった。 少しゲイ人口が増えるのは、実家から6kmほど離れたエリアだ。これも車社会なら「ちょっと行ってくるわ」レベルの距離である。しかし、地元民の顔ぶれはそうそう入れ替わらないため、アプリの画面はすっかり見慣れた風景になってしまう。
そんな中、たまに県外からの出張者などが現れるとやけに目立つ。当時の自分は変に遠慮がちでグイグイいけなかったが、あの手の出張者は地元民からそれなりにアプローチされていたのではないかと思う。東京や大阪などの大都市だと逆に人が多すぎて埋もれてしまうが、たまに旅行等で訪れた地方都市のほうが「新規参入者」として目立つのか、ワンナイトのお誘いを頂けることがある。
2. 「東京に来ることありますか?」
時々、遠方に住んでいる人からメッセージが来ることがある。自分に興味を持ってくれるイケメンほど遠方だったりするのが不思議だ。
しかし、そのイケメンたちはだいたい都会住まいで、「会ってみたいですね」の次には高確率で「東京に来ることありますか?」という質問が続く。「こっちに来るなら会ってあげるよ」ってやつだろう。 これが結構多いのだが、残念なことに私には東京に行く用事が絶望的に無かったので、これまでかなりイケメンを逃してきた気がする。
正直「逆にこっちに来ることは無いんかい」と思いつつ、相手はイケメン様である。来ないよね。 プロフィール写真からしてモテ筋のイケメンたちは、ただ立っているだけで撒き餌のように人が勝手に集まってくるのだろう。しかし、私のような平民は、自分から頑張って動かなければ何も始まらないのだ。

3. 時空の歪みとルーティン作業
長年アプリを見ていると、時空の歪みを感じることが多々ある。 何年も前からずっと同じ写真を使い続けている人がいるのは序の口だ。いくら画質がぼやけていようが、明らかにガラケー時代の自撮りだろうが、未だに現役のプロフィール画像として君臨させ続けているそのメンタルは、逆に称賛に値する。
そしてかつてプロフィール上で「年上」だったはずの人が、気付けば「年下」になっている現象も珍しくない。単に年齢を更新し忘れているだけ‥という可能性もあるが、意図的に若くサバを読んでいるパターンが多いのだろう。 確かに40代ともなると、検索の年齢フィルターではなから弾かれてしまう現実は痛いほどよく分かる。彼らなりに、出会いの土俵に立ち続けるための苦肉の策なのだろう。
また、「いいね」だけを毎日のルーティンのように無感情に押してくる人もいる。足跡とセットで定期的にやってくるアレは、目的が分からなすぎて純粋に怖い。もはや一種の嫌がらせなのかしら‥とすら思えてくる。

4. 選考と詐欺
いきなりメッセージを送ってきて「会いますか?」とだけ言ってくる人もいる。前触れもなく突然の「会いますか?」である。特に若い子にこの言い方が多い気がする。考えすぎかもしれないが、「(そっちが)会いたければ、会ってあげてもいいですよ?」と上から目線で言われているようで、どうにも気が乗らない。
また、「会いませんか?」と言われ、こちらが「いいですよ」とOKした途端、「何しますか?」と聞き返してくる丸投げパターンもある。これも深く考えなくていいのかもしれないが、「じゃあ逆に、あなたは何をしたくて会うことを提案してきたの?」と冷めてしまい、やっぱり乗り気にならない。
いい歳して細かいところを気にしてブレーキがかかってしまう。
さらに、イケメンや若い子から唐突なアプローチがあると、「これは詐欺なんじゃないか?」と即座に強固な防衛本能が働く。きっとやり取りを続けるうちに最終的に「振り込んで♡」と言われそうで恐怖なのだ。 40代半ばになった自分は、市場価値を見極めすぎた結果、このように無駄に拗らせていた。

5. まとめ
そんなこんなで、怖かったり、こじらせていたり、面倒くささが勝ってそっとアプリを閉じる日々である。それでも、なんだかんだで程よく楽しんではいる。私のスマホの中でマッチングアプリは相変わらず健在だ。

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